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執筆者の写真北原 功士

クリーチャーデザインに思う事


 

古くは鳥山石燕や葛飾北斎の妖怪画などを念頭に置きつつ、多くは映画やアニメに登場した怪物たちの姿を想像力の手助けにしています。

 怪獣デザインに心酔した時期もありますが、学生時代に公開された『遊星からの物体X』におけるドロドロした皮膚感のクリーチャーと出会ってからはモンスターデザインに対する考え方が大きく変化したと感じます。

 素晴らしい怪物たちが披露され続けているホラー映画の中でも物体Xは僕の創作にも強い影響を与えたものだと思います。


 無論、物体Xさんのようにドロドログチャグチャの方向性のデザインだけでは、様々な個性や特性を持った怪物たちを描く事はできませんが、そのディテールはひとつの到達点だと思い、指標になっています。

 

 この数か月、怪奇研究の一環として意識的にホラーゲームを遊ぶ時間を設けています。

バイオハザードシリーズはあらゆるホラー映画(アクション映画なども)からのオマージュに溢れていますが、クリーチャーデザインにおいてもまたエイリアンや物体X の影響が大きいように思えます。設定上の何らかの制約に基づきデザインされていると思いますが、重要なタイトルだけでも10作を越えるシリーズゆえ若干のワンパターン傾向もあり、突き抜けた新たなデザインには踏み込まないようにしている印象もあります。

それでもナンバリングシリーズでの8はそこから脱しようという意志も感じましたので今後の動向も含め制作者の方々の考え方も見つめつつ楽しみにしていこうと思います。


 バイオハザードを作られた三上真司先生の『サイコブレイク』のクリーチャーはより怪奇性が強く大いに取り入れていきたいデザインです。『アランウェイク』などと同様にSF要素のあるホラーでなく幻想性が強い設定を生かした異形さを表現できていますね。


 僕の画風は懐かしさと同時に古さも感じさせる、50年代から70年代のパルプ雑誌や怪奇児童書などに筆をふるった画家たちの絵を意識していますが、怪奇画においては、いわば2.5次元くらいのタッチがベストと考えているというのがあります。

 ホラーゲームはそのあたりのムードが似ており、バイオハザードのキャラクターや背景美術などリアル寄りではありますが実写よりはイマジネーションが強く、それもまた2.5次元のバランスで描かれていると思います。その方面でも絵を描く上で参考にも刺激にもなりますので、実写のホラー映画に比べ僕にとって目の離せないメディアなのです。


今回、上げた画像は未確認生物グロブスターの絵ですが、バイオハザードのクリーチャーの皮膚感などがインプットされているのが自分では感じます。

今後も良いものは取り入れていく姿勢で絵を描いていこうと思います。

 


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