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執筆者の写真北原 功士

令和怪奇画報の展望

 完成した怪奇画をツイッターでご紹介させていただいているのは、皆さんが楽しんでくれる要素や傾向を探るのが主な目的です。

 商業誌での活動では今ひとつ目立てなかった僕の怪奇画を広く皆さんに知っていただき、皆さんの嗜好に合わせて作画する事を検討する材料としてもツイッターというツールはとても有効で助かっています。

 その中で、過激な残酷描写やエロスの表現を求めるご意見をいただきました。大人にも楽しめる怪奇児童書を目指す事を公言しておりますので、そういった要望は当然ありますが、僕の計画としては、第1巻の「妖怪編」においてはある程度ライトなエロスに留めるつもりです。

 この令和怪奇画報は一冊作るのに半年間かかります。制作費も相当なものになり、僕が四年間かけて作った貯金を全額投入して、二冊を作るのがやっとです。三冊目以降は、皆さんにお買い上げいただいた利益で作るしかありません。

 そのために、最初は汎用性の高い題材でこの活動の地盤を固めざるを得ないのです。 

 怪奇という娯楽の中に目を背けたくなるような残酷描写や児童には刺激の強い裸体描写が内包されているのは承知しております。怪奇児童書を好む方々、令和怪奇画報を楽しみにしてくださっている方々がそういった要素を期待するのは当然でありましょう。ですが、それは少し先の楽しみとしていただきたいのです。令和怪奇画報は一冊や二冊で完結するものではありません。10冊、20冊と揃った時、初めて全体像が構築されるものなのです。その頃には昭和の怪奇児童書が成し得なかった表現もあるはずです。

 例えば遺族感情を刺激してしまう殺人事件などをイラスト化する試みもできるかも知れません。ですがそれは、悪意があるわけではありませんが、人を不快にさせる側面も含んでいるわけで、今この段階で判断できない領域です。皆さんが僕の作る本にどんな楽しみを見出すか、今後何を求めるのか、それは一冊ずつ本ができ、その時少しずつ判断する事だと思います。

 本が出来る前に、完成した怪奇画をツイッターで皆さんに見ていただくのも、そういう意味があるのです。皆さんのご意見は真摯に受け止め、大いに制作の参考にさせていただきます。ご要望に叶わない部分がありましても、無視したわけではなく、それが可能な時期を見計らっているだけです。

 皆さんに僕からお願いしたいのは、長い目でこの令和怪奇画報を見てくださいという事です。時間はかかりますが、皆さんのご支援がある限り、僕は最後までこの活動を続けるつもりです。

 ご理解いただきたいと思います。

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