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執筆者の写真北原 功士

ガンダムとジブリと怪奇画報

 かつて三島由紀夫がゴジラやラドンなどの怪奇映画をひっそりと楽しんでいたように、SFやホラーは大人をも楽しませる娯楽でもある半面、世間では子供の娯楽のように認識されていました。

 それに対し、ガンダムの富野由悠季やジブリの宮崎駿や高畑勲などがマンガ映画やテレビアニメを大人も楽しんで良いとされる文化まで追求昇華させた結果、アニメやゲームなどのおたく文化のみを楽しみ、アニメのキャラクターに恋をし、恋愛も結婚もしない中年世代までをも生み出すおぞましい状況ができました。

 僕も彼らが子供のものとされた文化を大人の娯楽にしたように、怪奇画報という、もはやマイナーともいえる子供文化を今再び大人を中心に広く展開できたらと目論んでいますが、それを楽しむ人口はざっくり10万人程度が良く、それ以上になると予想できない気持ち悪い世界になっていくような気もします。

 多くの怪奇画家が生まれ、若者が将来怪奇画家になりたいと夢見て、人々が学校や会社で怪奇画報の話題で盛り上がる世界を見てみたいですが、富野由悠季や宮崎駿が自分たちが作り上げた現状を嘆くのも理解できます。

 怪奇画報を娯楽文化の頂点にまで君臨させる実力も時間も僕にはありませんが、令和怪奇画報がきっかけになり、若い世代に怪奇画報で世界を染めてしまおうと考えるチャレンジャーが生まれたら、とても面白いと思います。

 入稿期日が迫っており、来る日も来る日も休みなく怪奇画の制作に明け暮れていると、このような妄想が湧き上がり、現実世界とのギャップが著しくなっていくのです。

 入稿まであと2ヶ月弱。あと9枚の怪奇画が必要です。今のところ、睡眠時間は確保し、晩ごはんのあと、気晴らしに一時間程度ラストオブアスで人殺しを楽しむくらいの余裕はありますので、健康を害する事はありませんので、皆さんご心配無用です。

 問題は少し精神や思考が狂う事でしょうか。偉大なるアニメ文化と隆盛を極める事もなく消えていった怪奇画報を同列に考えてしまうように。

 怪奇画報に真剣に取り組んでいるのは、どうやら地球上に僕一人のような感じですが、何かの間違いで令和怪奇画報が10万冊くらい売れたら、僕以外でも怪奇画報を作る人が出てくるとは思います。そんな怪奇な世界がちょうどいい感じできたらと思います。



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