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執筆者の写真北原 功士

サマーオブ84

 『ターボキッド』というゴアゴアかっこいい青春近未来アクション映画がとても面白く、それを撮った3人の監督の新作なので観てきました。

 連続殺人事件が起こっている郊外の街が舞台の物語なので、終始不安感が漂っています。犯人がわからない未解決事件というのは現実でも不気味なもので、怪談や未確認生物のような怪奇性があるように思っています。

 例えば井の頭公園バラバラ事件は、犯人の人数も目的もわからず公園のゴミ箱の挿入口のサイズに合わせたブロック状に切断された死体が事件の発覚につながりましたが、発覚しやすいゴミ箱に遺棄した理由もわからず、謎に満ちています。

 犯人が捕まり、事件の概要が明確化するとたちまち謎は解かれ不気味な怪奇性は失われるのが未解決事件というもので、ミステリー小説が怪奇的タッチで描かれる事が多いのも、謎というものと怪奇の親和性の高さがあるからだと思います。

 こういう概念を描くのは、物語の形式が向いており、一枚の絵に封じ込めるのはなかなか困難ですがいつか挑みたいとも思っています。


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